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  • 執筆者の写真L'escargot Design

[練馬人図鑑・補足]非日常の中に日常を見たパリ


ヴォージュ広場にて

出演させていただいた練馬人図鑑がYouTubeで公開されました。


たまには趣向を変えて、番組内でお話ししたことの補足をこちらでぼちぼち書いてみたいと思います。

番組内での3つのテーマの2つ目「パリが好き」から、今回はパリについてその1。

青山のデザイン事務所を辞めて独立する何年か前からしばらくの間、毎年長めの休暇を取ってパリに行っていました。ほとんどをパリで過ごし、あとはそこを拠点にして1箇所、他の都市へ。知り合いを頼って、アビニョンやリヨン、ニースを訪れました。


何をきっかけにパリに通う(?)ようになったのかは番組内でお話しした通り。


ほとんど家に帰れないという尋常でない日常から普通の暮らしのような非日常への旅は、特にこれといって何をした訳ではなくても静かなインパクトがありました。


たまたま泊まることになったホテルの周辺のエリア、マレ地区の居心地の良さも大きかったと思います。中心部でありながら、リッチな観光客が大勢いそうなメジャーな地域とは外れていたこともあり、落ち着いて過ごすことができました。

今は不明ですが当時は女性一人で歩いていてもそんなに心配はない雰囲気で(←一応、ホテルの人に確認)、実際暗くなった後も近くの店をウインドウショッピングしたり、レストランに行ってみたり。門限後、事前に教えてもらっていた方法で自分でドアを開けて建物内に戻ったりすることもありました。


実はこの滞在以前にも、パリは幾度となく訪れていた場所。


友人とのヨーロッパ周遊でも何度か行きましたが、変わったところでは、ドイツの友人宅にやっかいになっていた頃の弾丸旅行。ユーレイルパスの期間の余りを使って、一人で夜行列車に乗り込みパリで一日過ごし、また夜行で帰ってくるということを何度か繰り返していました。


お金がないので美術館に行き、公園のベンチで持ってきたパンを食べ、何も買わず何もせずブラブラと過ごすだけ。


ドイツの友人宅からパリまでちょうど一晩の距離だったための目的地でしたが、その時も含め、ヨーロッパの他の国と比べても不思議と嫌な思いをしたことがなく、道で何かを聞いても(評判と違って!)親切にしてもらうことが多く、そもそも合っていたのかもしれません。


滞在型になってからは、どうみても地元の人に逆に道を聞かれたり、普通に話しかけられたり。住んだ訳ではないので、本当の居心地の良さはわからないものの、少なくとも旅行者や外国人としてではなく「たまたまそこにいるその人」として接してくれるのは心地よいものです。


余談ですが、その経験から国内で外国の(と思われる)方に、わりと普通に話しかけてしまいます。


パリの夕暮れ(実際はもっと濃厚な色!)

最初のパリ滞在で一番感動したのは夕焼け。ピンクとパープルが混ざったようななんとも言えない色に染まったパリの街並みに、この世にこんな美しいものがあるのかと思いました。


思い起こしてみると、当時の私は夜まで会社にいて夕焼けなんて見ることはなかったし、ずっと仕事漬けで仮に打ち合わせで夕方外出していてもそんな余裕なんてなかったのでしょう。


パリの夕暮れは自由の色に思えました。


19年前に会社を辞めて独立した後、自宅近所の横断歩道を渡りながらふと空を仰いだ時に見た夕焼け。これからは夕焼けを見ることができる暮らしなんだと、色こそ違えど、夕暮れのパリを思い出したのをはっきり覚えています。


練馬の夕焼けも綺麗ですよね。

ちょっと外出して帰宅途中に遭遇すると、初心に返る気がします。

(夕焼けを見た後、また働いていたりする訳なのですが!)



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