top of page
  • 執筆者の写真L'escargot Design

防災学習センターで震度7を体験



昨年度受講した、約一年に渡る練馬区の地域講座の補講が先日ありました。ちょうどいろいろ同時進行中で出られないかと思ったのですが、突然時間がとれてギリギリ参加することができました。 集合場所は光が丘にある、練馬区防災学習センター。地域講座でもここで防災を学ぶ回があり、煙の中の避難や、消火訓練、応急処置の訓練、災害や避難所についての講習を受けたのですが、あいにくその日は土砂降りの雨。起震車での地震体験はできませんでした。そんなこともあってか、今回は起震車体験が含まれていて、企画された生涯学習センター分館の方たちの細やかな配慮がうれしいです。 最初に東日本大震災の揺れの様子の映像を見て、普段からできる備えについてのレクチャーを受けたあと、早速外に停めてある起震車へ。順番に二人ずつ乗って震度7の揺れを体験しました。起震車「ねり丸号」には手すりがついていて、テーブルは床に固定されています。

最初のほうで座った状態で体験した人たちがとっても辛そうだったので、私は立ったままで右手は壁の手すり、左手はテーブルをしっかりつかみました。揺れに少し身を任せるようにしてみたら最初は耐えられたのですが、縦揺れが入ると体も浮いてかなり不安定になり、さらに手もじわじわと汗ばんで滑り始め、起震車から飛び出してしまうのではないかと思いました。

2分間の揺れというのは本当に長い。そして、固定されたテーブル以外何も置いていない、つかめる手すりがある起震車でさえ、あの揺れの中では本当に何もできない、というのがよくわかり「まずは自分の身の安全を確保」という話が身にしみました。 体験後、テーブルや机の下に入るのは実際どうなのか質問してみたところ、上から何か落ちてくる可能性がある場合以外は、固定されていないテーブルは返って凶器になる場合があるので、下手に入らないほうが良いとの答え。やはり何も置いていない通路のようなところが安全、ということでした。(なので、通路には物をあまり置かないのが大切と!)


そのあとは建物内に戻って災害時に役立つロープの結び方を3つ習いました。緊張から解放されたのか、皆、わいわいと熱心に練習しました。巻結び、本結びはクリアしたものの、最後に習ったもやい結びがちょっと難しくて皆さん苦戦。先生が順に廻って個別に指導してくれました。私も2回ほどすいすい成功したあとに突然わからなくなり、先生を呼んでもう一度教えてもらい、そのあとはできるようになって、隣の人に余裕で教えていたのにも関わらず、帰宅後やってみたらまたできない…。 実はロープの結び方のアプリも入れてるのですが、やっぱり手元で教えてもらうほうがわかりやすいのですよね(忘れてしまってはしょうがないですが!)。ささっと結べるのは憧れだし、日常生活でも便利に使えるかも。


胸に「練馬区」と入った制服を着たこのカエル君は“練馬区の職員”だそうです。

次にうかがったのは車いすを押す時のコツ。凸凹道や液状化した道の上で押すのは力が必要で、コントロールもしにくい。そんな時は押してもダメなら引いてみなということで、後ろに引っ張るようにすると比較的楽に進めるとのアドバイス。前輪をあげるやり方は座っている人が怖いのでおすすめしないそうです。身近に車いすの人はいないですが、災害時はどんな状況になるかわからないので、頭の片隅においておこうと思いました。 そして最後に、倒れた塀の下敷きになった人を皆で救助するロールプレイング。リーダーとなった人が役割分担をして、ジャッキを使って徐々に塀を持ち上げ、引っ張り出したあとに担架で運びます。担架も初めて扱うので、広げるところからわからないし、ケガ人を乗せて運んで下ろすまで、いろいろ注意するポイントがあって、これは実際に経験しておいて良かったと思いました。感じたのは、こういうことは思った以上に人手がいるということ。普段からのつきあいも大切だし、いざという時、さっとまわりに助けを求められるスキル(気持?)も必要なんですね。 揺れの中では何もできないかもしれないけれど、それを知って、できることは備えておくのはとても大切なこと。センターの方の最初のお話の中での「地震なんかで死なないでください」という切々とした訴えと「まず自分が助かれば、他の人を助けられる」「日頃できないことは災害時にはもっとできない(逆もまた然り)」という言葉が心に残りました。ちょうどこの数日後に鳥取で大きな地震があって、ここでの体験を思い出してハッとしました。東京防災にもありましたけど「今やろう!」、大事です(これがなかなか難しいのですけど)。 この防災学習センターでは、上記の体験の他、消火や応急救護、煙の中での避難など、申込をしなくてもいろいろな体験ができる日が定期的にあるようです。グループで申込む1〜2時間のコースや本格的な講座もありますので、ぜひホームページをチェックしてみてください。地震や避難に関する展示もあります。 * 練馬区防災学習センター(光が丘) * 昨年度受講した練馬区Enカレッジの地域講座は、練馬区内の様々な施設を訪れて区の事業や区民による活動を知る、とてもためになる楽しい講座でした。 今年度は既に終盤ですが、来年もきっと募集すると思います。練馬を良く知りたい練馬区民は要チェック! 練馬区Enカレッジ こちらに私が受けた27年度の各回レポートがあります(下のほうの「地域講座)」。


このあと訪れた近くの「四季の香ローズガーデン」については、また次の機会に。 [関連記事] 昭和45年の食事


---------------------- 防災学習センターと「東京防災」※旧ブログ記事、再掲しておきます。

(2015年10月2日投稿)

先日、防災学習センターに見学・体験に行ってきました。 簡単なビデオを観たあとは、三角巾を使っての止血や骨折の際の腕吊りを二人一組で練習。ちょっとしたコツや代用品になるもの、コンビニ袋などを使った方法も教えてもらいました。実際に手を動かすと、いい大人ばかりですが、妙に熱を帯びて真剣です。


講習中のメモ

展示室の見学では、地震の種類や揺れの仕組みの模型、パネルの他、非常食や防災設備の展示の説明を聞きました。中でも印象深かったのは、片隅にひっそりあった避難所の一人分のスペース。テレビで見たりして、わかってはいたのですが、実際に畳一畳分の割当を見てしまうと、もちろん家が危ない場合は避難するようにとの前提で、「可能であれば在宅避難」を、とすすめるのがとてもよくわかりました。一人ずつの間仕切りは到着するのに時間がかかるので、しばらくは隣との境界線はシートのみ。避難所に避難をしなくても、物資は取りに行けば受け取ることができる決まりになっているとか。 見学のあとは、いよいよ本格的な体験が始まりました。 まずは煙の中の避難体験。煙が充満した、中が区切られたテントに二人一組で入り、出口まで避難します。姿勢を低くしてハンカチで鼻と口を覆います。片手で壁を触り、離さないようにして逃げる、というのがポイント。人口の煙は甘い匂いがします。 私はあとからついて行ったのですが、前の人の服しか見えず、自分が先頭だったらちゃんと迷わず出られたか自信がありません。実際にしばらく迷子になって、なかなか出て来ない人たちもいて、これが本物の火災だったらとゾッとしました。 消火器訓練も全員参加で、まずは大声を出すこと、近づきすぎないこと、消火を始める場所に着いてからピンを抜くこと、などの細かい注意点も。消火器の使い方は、以前と違って今は統一されているとの説明に、少しホッとしました。 学校や地域でうけた訓練・講習も、たいていは選ばれた数人が代表してやってみる、ということが多かったので、今回のように全員体験する、というのは初めて。どれも頭でわかるのと、やってみるのは大きな違いなので、とっても貴重な機会でした。 帰りはちょうどピークで土砂降りの雨。展示室で教えてもらった、土のう代わりの水のうを作り方を思い出しながら帰りました。家庭用のゴミを入れる45リットルの袋を二枚重ねて、水道水を入れて口をしっかり縛るだけ。これはこれで大変そうですが、土のうを取りに行くことを考えると現実的かも。。。


帰宅すると、ちょうど良いタイミングで、噂の「東京防災」が届いていました。東京都民全世帯に配られるという防災ハンドブックで、黄色と黒の表紙が目を引きます。中も結構面白い(と言ったら、ちょっと変ですけど)し、身の回りのものを使ったサバイバル術みたいなものもあって充実しています。 ただ少し気になったのは、外国人居住者に対する配慮。「世帯別インデックス」に外国人居住者の項目があるので、一応対象にしているとは思うのですけれど、そこに抜き出して書かれている安否確認と情報収集のページを見てみると、説明は日本語のみ。情報インデックスは辛うじて英語の記載があるものの、せめて災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板の使い方ぐらいは英語、できれば数カ国語で説明があっても良いように思いました。 この本自体は日本人向けだとしても、まわりの外国人をフォローできるように、「非常時に使える英会話」も、ここはもっと多くの例や非常時に役立つ数カ国語の単語集などがあっても良かったかも。 こういうことが気になるのは、メディアユニバーサルデザイン・アドバイザーの資格を持っていたり、外国人の友人がいるせいもありますが、海外を旅した経験から、突発的な出来事があった時に言葉がわからないとどれだけ困るか、ということを実感しているからでもあります。もちろん旅先での出来事ならたいてい何とかなりますが、非常時、緊急時は外国人こそ情報が欲しい、ということもあるはず。 実際に、つい最近、日本在住のアメリカ人から一時帰国のために成田へ向かっている時にちょうど震災が起き、東北の両親の家にいる婚約者とその家族の安否がわからないまま、自らも途中で足止めされ、不安な数日を過ごした、という話を聞いたばかりなので、余計に気になってしまいました。 この話をしていて、他の言語のガイドはWEBからダウンロードできると教えてもらい、探したのがこちら。 ●Disaster Preparedness Tokyo(English)(Chinese)(Korean なんだあるんじゃん、と思いましたが、私の友人(イギリス人)は、そもそもこんな本があるとは知らなかったらしく、日本語バージョンも家には届いていないそうです(これから届くのでしょうか)。せっかくつくったのだから、もっと宣伝すれば良いのに、と思うのですが。。。 日本語版「東京防災」 ←東京以外の方はこちらからどうぞ。

追記:この旧ブログは東京防災が評判になる前に書いたもので、このあとしばーーらくして友人のところにも英語版が届いたそうです。仕様が違っていたらしく微妙な顔はしていましたが・・・。

bottom of page