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  • 執筆者の写真L'escargot Design

高齢者のための不健康寿命予防セミナー、介護付有料老人ホームにて。



「高齢者のための不健康寿命予防セミナー」を受けてきました。会場は介護付有料老人ホーム「もみの樹・練馬」。 講師は東京都健康長寿医療センター 循環器内科&高齢者健康増進センターの杉江正光先生と、理学療法士奈良毬那先生。場所柄、受講者の半分くらいは高齢者の方でした。 第一部では杉江先生から、健康寿命と寿命との差、つまり不健康で過ごす期間=不健康寿命の予防について。 「健康寿命」というのは、年を重ねても病気があっても歩けなくても、様々な症状が緩和されて悩まされずに過ごせることだそう。そして健康寿命を考えるには、逆に不健康寿命の期間を考えていきましょう、というお話でした。

確かに高齢者でなくても年齢が上がるにつれてなんらかの不調は起きてくるもので、折り合いを付けて過ごしていくことを考えるのが現実的ですよね。若い頃と同じでなくてはと考えてしまうと、それ自体がストレスになってしまいそうです。 健康寿命という言葉は知っていても、その先のことはあまり具体的に考えたことはなかったのですが、特に不健康に至る過程の「虚弱(フレイル)」の状態というのがなかなか興味深く勉強になりました。「虚弱」を構成する要因は身体的問題だけでなく、精神・心理的問題や社会的問題も含まれるとのこと。考えさせられることも多く、お話はいろいろ納得できることばかり。 その後うかがったのは、この虚弱や要介護の状態からより良い状態へ底上げするための高齢者健康増進センターでの具体的な取り組み。センターで行われている高齢者のための運動指導では、運動機能だけでなく、認知機能や心理的な側面にも効果が認められたのだそうです。参加者同士が自然に仲良くなっていくのも、効果に一役買っているとか。 また、この運動部門に参加できない患者さんのために開発された、遠赤外線低温サウナ療法の紹介もありました。この特別に調整されたサウナを続けていると、運動が可能になる方が大半と聞いて高齢者以外の受講の皆さんも興味津々。効果だけでなく、とても気持が良さそうで、一度体験してみたくなってしまいました。 セミナーの第二部は理学療法士奈良先生による体操の時間。セミナーには実際にセンターで運動指導を受けていらっしゃる方もお二人参加されていたのですが、このご夫婦含め、高齢者の皆さんの元気なことにビックリ。さすがに激しい運動はなかったのですが、スクワットがあったりとそこそこハード。また、手足を右、左、右、左と結構忙しく、慣れないせいか、だんだん間違えて変な汗もかきました(笑)。どうやら頭の体操にもなっているようです。 運動が終わったあとは別室に移り、もみの樹・練馬の入居者の皆さんと同じお昼ごはん「なごみランチ」をいただきました。お吸い物からお肉料理、酢の物、紫芋のコロッケ、水菓子まで、食べやすい大きさに切ってあり、ホームならではの細やかな心遣いも感じます。


食事中、ドレスアップしたコーラスグループが入場するというサプライズも。たまたま定期的に行われているランチコンサートの日だったらしく、オペラの楽曲や昭和歌謡を楽しいおしゃべりを交えながらうたってくれました。高齢者向けとは言え、私も充分懐かしい。。。時々こういうイベントがあると生活に変化が出て刺激になりますよね。しかもかなり本格的。隣の席の方は一緒に口ずさんで楽しそうでした。 セミナーの内容も高齢者についてでしたが、「虚弱」を構成する要因の中には、自営業でこもって仕事をすることの多い私にも陥りがちな状態(低栄養とか外出機会の減少による筋肉量低下とか)もたくさん含まれていて、日頃の生活を振り返ってちょっと反省もしてみたり。おまけに翌日には軽い筋肉痛も覚えて、これまた反省しきり。 実は私がこちら、介護付有料老人ホーム「もみの樹・練馬」にお邪魔したのは二度目。

前回は施設を一通り見学させていただきました。 館内は身体の状態別の3フロアに分かれており、それによってより適切な対応が可能なのだそうです。おしゃべりをしながら運動できる器具が置いてあったり、理美容室や、屋上庭園には車いすのままガーデニングが楽しめるコーナーも。共有スペースは明るく開放的で、最近ドラマのロケにも使われたのだそうです。個室はプライベート空間として目に見えない様々な工夫もされていました。 施設もさることながら、うかがう度に感じるのがそのホスピタリティ。さりげない配慮やおもてなしも暖かく、入居者や入居予定の家族でもない私にまで…と考えると、きっとこれがこちらの通常なんですよね。今まで実際に訪れる機会がなかなかなかった施設ですが、昨年の見本市での出会いがきっかけで見学や今回のようなセミナーへの参加と、貴重な体験をさせていただいています。 もみの樹・練馬 東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター 研究所

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